市原悦子の死因と壮絶な闘病記|最期の肉声と遺産相続の真相
市原悦子さんが息を引き取ったのは、2018年度末(2019年1月12日午後1時31分)、東京都内の病院でした。所属事務所および医療関係者から発表された正式な死因は「心不全」です。
「心不全」とは特定の病名そのものではなく、心臓のポンプ機能が低下して全身に十分な血液を送り出せなくなった終末期的な病態を指します。市原さんの場合、突然心臓の発作に見舞われたわけではなく、数年前から進行していた重い基礎疾患と、それによる全身の衰弱が複合的に影響していました。
その最大の引き金となったのが、2017年1月に診断された指定難病「自己免疫性脊髄炎」です。この病気は、本来ならウイルスなどの外敵から身を守るはずの自己免疫システムが異常を起こし、中枢神経である脊髄を攻撃してしまう原因不明の難病です。手足のしびれや激しい痛み、運動麻痺、排尿障害などを引き起こし、発症すると自力歩行が極めて困難になります。
市原さんは2016年11月頃から足のしびれや違和感を訴えており、同年12月に緊急入院。翌年1月に自己免疫性脊髄炎の診断が下されました。当時80歳を超えていた市原さんにとって、神経系を侵す難病の治療と筋力低下は極めて過酷な試練でした。ステロイド治療や激しいリハビリテーションに励んだものの、かつてのように自由に舞台や撮影現場を駆け回る体力を完全に取り戻すことは叶わず、長期の療養生活を余儀なくされたのです。