肛門周囲膿瘍の激痛なぜ?放置リスクと痔瘻の違いを徹底解説
肛門周囲膿瘍と痔瘻は同じ病気の急性期と慢性期と捉えるのが正確だ。肛門周囲膿瘍が膿のたまった袋だとすれば、痔瘻は膿が排出されるためにできた「管」であり、肛門の内外をつなぐトンネル状の穴(瘻管)が残った状態を指す。
ここで多くの患者が誤解するのが、「膿が自然に破れて出てしまえば治るのでは」という点だ。実際には、自然破裂によって痛みや腫れはいったん軽減する。しかしこれは完治ではない。膿の排出経路として瘻管が残るため、痔瘻に移行して慢性的に膿や浸出液が出続ける。肛門周囲膿瘍の段階で切開排膿を行っても、約30〜40%は痔瘻に移行するとされ、放置して自然破裂した場合はさらにリスクが高まる。
痔瘻に移行した場合、肛門括約筋を温存しながら瘻管を切除する手術が必要になる。手術そのものは根治を目指せる一方で、括約筋を切る範囲が広い場合、術後にガスや便の保持力が低下するリスクもゼロではない。だからこそ、膿瘍の段階でいかに早く手を打つかが、その後の生活の質を左右する。