桶川ストーカー殺人事件の真相|警察の闇と主犯の結末、遺族の現在
警察が被害者の名誉を汚し、初動捜査を放棄する中、事態を劇的に動かしたのは一人のジャーナリストでした。当時『FOCUS』の記者だった清水潔 調査報道の記録は、日本のジャーナリズム史に金字塔を打ち立てることになります。
清水記者は、警察発表を鵜呑みにせず、現場の桶川駅や周辺住民への徹底的な地道取材を開始しました。ビラ配りを目撃した証言者から割り出した不審車両「赤いホンダ・トルネオ」を追跡し、レンタカーの使用履歴や関係者の証言を丹念に積み上げ、警察が動くより前に犯人グループを特定しました。
実行犯グループは、小松和人から「1000万円で始末しろ」と依頼を受けた実兄・小松武史を中心に、風俗店元店長の久保田祥史、実行を補佐した伊藤、川上の4名で構成されていました。清水記者は彼らを尾行し、顔写真と身元を完全に突き止め、警察に情報を提示しながら「逮捕しなければすべてを誌面で告発する」と迫りました。記者の追及に追い詰められた埼玉県警は、事件発生から約2ヶ月後の1999年12月、ようやく実行犯らの逮捕に踏み切ったのです。
裁判において、実行犯 久保田祥史 判決は懲役18年(求刑・無期懲役)が確定。殺人の直接の指示を出した兄の武史には無期懲役が下されました。警察の手柄と報じられた逮捕劇の裏にあったのは、警察官のプライドではなく、民間の調査報道による執念の追及でした。