シャアの本名と正体の真相|偽名4つを使い分けた壮絶な生い立ち
結論から明かすと、シャア・アズナブルの正体であり本名は「キャスバル・レム・ダイクン(Casval Rem Deikun)」です。宇宙世紀0059年、宇宙移民者たちの自治独立と「ニュータイプ思想」を提唱した偉大な思想家、ジオン・ズム・ダイクンの実子(長男)としてサイド3で誕生しました。のちにホワイトベースの通信士として敵味方に分かれて戦うセイラ・マス(本名:アルテイシア・ソム・ダイクン)は、実の妹にあたります。
幼少期のキャスバルは、動乱期の政界で孤立を深める父のもと、母アストライアや妹アルテイシアの傍らに寄り添う物静かな少年でした。しかし宇宙世紀0068年、父ジオン・ズム・ダイクンが議場での演説直前に急逝。これを契機に、実権を握ろうとする側近のデギン・ソド・ザビ率いるザビ家が台頭し、ダイクン一派の粛清が始まります。父親の死がザビ家による暗殺であったと疑う支援者ジンバ・ラル(ランバ・ラルの父)らの手引きにより、幼いキャスバルとアルテイシアは暗殺の手を逃れるため、地球への亡命を余儀なくされました。ここから、彼の「名前を捨てる流転の人生」が幕を開けます。
なお、ファンや制作者の間で語り継がれる「シャア・アズナブル」という名前の由来には、興味深い逸話が存在します。総監督の富野由悠季氏の証言や各種インタビュー資料によると、フランスを代表する世界的シャンソン歌手シャルル・アズナヴール(Charles Aznavour)の響きをもとに名付けられたとされています。さらに、富野監督自身が演出を手掛けた『勇者ライディーン』に登場する美形悪役「プリンス・シャーキン」のインパクトを継承し、敵役でありながら高貴さと悲劇性を兼ね備えたキャラクターとして命名された経緯があります。一方、本名である「キャスバル」の響きは、中世ヨーロッパの貴族的な重厚感と、異端の血統を想起させる響きとして生み出されました。