目黒の老舗「うなぎの末よし」が愛され続ける決定的な理由と真髄
職人の手元を見つめると、団扇の風と炭の爆ぜる音が心地よいリズムを刻んでいる。串を打たれた鰻は、絶妙な火加減で脂を落としながら、黄金色の煙をまとっていく。
タレは単に甘辛いだけではない。創業以来、幾千、幾万匹もの鰻の旨味が溶け込み、継ぎ足され続けてきた生きた調味料だ。キレのある辛口醤油がベースでありながら、後味には上品な丸みが残る。焦がしすぎず、生焼けにもしない。炭火の遠赤外線を見極める鰻職人の研ぎ澄まされた感覚が、外側の香ばしい歯ざわりと内側のとろけるような食感のコントラストを生み出している。