セルの「ちくしょー!」は何話?若本規夫の名演技と完全体への執念に迫る
このシーンが伝説となった最大の立役者は、セル役を務めた声優・若本規夫氏の圧倒的な演技力にあります。
当時のアニメ制作において、鳥山明氏が生み出したセルの3つの形態を、若本氏はすべて異なるアプローチで演じ分けています。第1形態では「得体の知れない爬虫類・昆虫のような不気味さ」、完全体では「気品と余裕を湛えた知性派の紳士」として発声されていたのに対し、第2形態は「力任せで粗野、かつ感情を制御しきれない荒々しいモンスター」として設計されました。
声優業界の証言や当時の制作インタビュー等でも語られている通り、第2形態での「ちくしょおおおお!」の叫びは、喉を限界まで震わせた若本氏ならではの独特な節回しとビブラートが凝縮されています。この熱演によって、視聴者はセルの情けなさと同時に、追い詰められた怪物の剥き出しの執念を強烈に体感することになりました。