【ハリー・ポッター】スネイプはなぜ裏切ったのか?リリーへの愛と涙の真相
シリーズ最大の衝撃的な展開といえば、第6巻終盤の天文塔におけるダンブルドアの死です。ハリーの目の前で、スネイプは死の呪文「アバダ ケダブラ」を放ち、偉大なる指導者を殺害しました。この凶行により、読者も作中の魔法使いたちも「スネイプはやはり卑劣な裏切り者だった」と確信しました。
しかし、スネイプがダンブルドアを殺した理由は、事前に交わされた「崇高な密約」によるものでした。当時、ダンブルドアはヴォルデモートの分霊箱である「ゴーントの指輪」にかけられた呪いを受け、余命が1年にも満たない状態にありました。さらに、ヴォルデモートはドラコ・マルフォイに対し、失敗すれば死を意味する「ダンブルドア暗殺」を命じていたのです。
ダンブルドアはスネイプに対し、次のように依頼しました。「痛烈な苦痛の中で死ぬよりも、信頼する友の手で尊厳ある死(慈悲の死)を与えてほしい」「若いドラコの魂が殺人を犯して引き裂かれるのを防ぎ、同時にスネイプがヴォルデモートからの完全な信頼を勝ち取るために、お前が私を殺せ」と。スネイプは苦悶しながらも、この残酷な命令を受け入れ、全世界から憎まれる役目を引き受けたのです。
この自己犠牲の深さを象徴するのが、スネイプの守護霊(パトローナス)である「牝鹿(ひめじか)」です。魔法界において、守護霊の姿は術者の深層心理や魂の結びつきを反映します。リリーの守護霊もまた牝鹿でした。スネイプの守護霊は、リリーを失ってから何十年が経過してもなお、彼女と全く同じ姿のまま変化していなかったのです。
第7巻で、ダンブルドアの肖像画の前でスネイプが銀色の牝鹿を放った際、ダンブルドアは涙ぐみながら問いかけます。「After all this time?(今でもずっと彼女を?)」。それに対し、スネイプが返した言葉が、シリーズ史上に残る伝説の名言です。
「Always(永遠に/いつでも)」
この名言「Always」の意味は、単なる恋愛感情を超え、リリーが愛した息子ハリーを守り抜くという誓いが、死後も変わることのない永遠の真実であることを示しています。彼はその牝鹿の守護霊を使って、氷の池の底に隠された「グリフィンドールの剣」へとハリーを導き、影から勝利への道を整え続けました。