歌舞伎「中村」の全貌|屋号の違い・家系図から勘九郎らの現在まで
成駒屋を率いる八代目中村芝翫は、三人の息子(橋之助・福之助・歌之助)とともに「成駒屋三兄弟」としての自主公演や大芝居での大役抜擢を重ね、古典歌舞伎の重厚な様式美を伝承しています。名門ならではのプレッシャーを受け止めつつ、若手三兄弟が立ち回りや時代物の台詞回しを着実に体得している姿は、古くからの歌舞伎ファンから高い評価を得ています。
播磨屋においては、人間国宝であった二代目中村吉右衛門が2026年に世を去った後、その重厚な芸脈をいかに後世へ渡すかが長年の課題でした。実力派の中村歌六、中村又五郎を中心に、甥や若手世代が吉右衛門の当たり役であった『熊谷陣屋』や『俊寛』などの難役に挑み、播磨屋ならではの気品ある義太夫狂言の灯を守り続けています。
一方、エンターテインメントの最前線で独自の地平を切り拓いてきたのが萬屋一門の中村獅童です。名門の御曹司でありながら一時は役がつかず、映画『ピンポン』などで映像界へ単身乗り込んで評価を勝ち取った異色の経歴を持ちます。初音ミクと融合した「超歌舞伎」の立ち上げや、長男・小川陽喜、次男・夏幹とともに舞台に立つ姿は、伝統芸能の敷居を下げ新たな観客層を大量に呼び込みました。
また、端正な顔立ちと長身で知られる中村隼人(萬屋一門・二代目中村錦之助の長男)の躍進も見逃せません。スーパー歌舞伎II『新版 オグリ』での主演やドラマ『大富豪同心』での主演を経て、古典の基礎を崩さずに2.5次元舞台や現代的スペクタクルを乗りこなすスターとして、現代の歌舞伎界で随一の若手人気を誇っています。