孟宗竹のアク抜きでえぐみが残る本当の理由とプロの裏技を徹底解説
ネット上のレシピ記事やSNSでは、「タケノコは皮をすべて剥いてから小さく切って茹でた方が早い」といった情報が出回ることがあります。確かに体積を減らせば加熱時間は短縮できますが、これはタケノコの風味と食感を損なう典型的な悪手です。
孟宗竹の皮には「亜硫酸塩」や微量のアミノ酸が含まれており、これが加熱中に身を柔らかく保ち、独特の上品な甘い香りをタケノコ自身に戻す役割を果たしています。また、皮をつけたまま茹でることで、旨味成分であるグルタミン酸が煮汁へ過剰に流出するのを防ぐシールドにもなります。先端を斜めに切り落とし、縦に深めの切れ目を1本入れるだけの最小限のカットにとどめるのが正統な手法です。
なお、竹材加工の現場で行われる「苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を用いた湯抜き(湿式油抜き)」の技術情報が、ネット検索の混同によって食用タケノコの下処理情報と誤認される事例が稀に報告されています。工業用の苛性ソーダは劇物であり、家庭での食用アク抜きに用いることは極めて危険です。アルカリ処理を行う際は、必ず食品添加物グレードの重曹(炭酸水素ナトリウム)を使用してください。
下処理を終えた後の孟宗竹下処理と保存方法についても注意が必要です。使い切れない分はタッパーに入れ、タケノコが完全に浸かる量の水道水を注いで冷蔵保存します。毎日水を入れ替えれば、冷蔵で約1週間は鮮度を維持できます。さらに長期保存を目指すなら、手作りの孟宗竹水煮の作り方として知られる「脱気瓶詰め」が有効です。煮沸消毒した耐熱ガラス瓶にタケノコと煮汁(またはきれいな水)を満たし、軽く蓋をして湯煎加熱した後にきつく密閉すれば、常温で約1年間の保存が可能になります。