職務質問はどこから違法か?証拠排除の判例が明かす警察捜査の限界
街頭での呼び止めは、法的にどう位置づけられているのか。根拠となるのは警察官職務執行法第2条1項だ。そこには「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」を停止させて質問できると明記されている。
警察官職務執行法が認めるのはあくまで「任意」の調査だ。逮捕状がない限り、市民を強制的に拘束する権限は警察官にはない。警視庁をはじめとする各都道府県警察の現場では、しばしば「協力をお願いしているだけ」という建前のもとで、物理的な実力行使へとエスカレートする場面が後を絶たない。
逃げようとする市民の前に立ちふさがる、肩や腕を掴む、自動車のキーを勝手に抜き取る。これらはすべて「有形力の行使」に該当する。日本弁護士連合会が発表する人権救済申立事件の記録を見ても、職務質問の名を借りた違法な身体拘束の実態は深刻な社会問題として浮き彫りになっている。