焼肉店の裏メニュー「あかんやつ」の正体|違法生レバーのリスクと罰則
「新鮮な朝引きレバーだから当たらない」という言説は、医学的・衛生学的に完全な誤りです。食中毒菌の有無と肉の鮮度には何の関係もありません。新鮮であればあるほど、付着した菌も元気な状態で体内に侵入します。
生レバーの摂取で最も恐ろしいのが、O157食中毒の症状と危険性です。O157は極めて微量(数十個程度)の菌が体内に入るだけで発症し、2日〜9日の潜伏期間を経て激しい腹痛、水様性の下痢、鮮血を伴う血便を引き起こします。さらに菌が産生する強力な「ベロ毒素」が血管を通じて全身に回ると、溶血性尿毒症症候群(HUS)や急性脳症を併発し、人工透析が必要になったり、最悪の場合は命を落とします。
また、家畜の消化管に常在するカンピロバクターも重大な脅威です。潜伏期間は2〜5日と比較的長く、発熱や激しい下痢に見舞われます。恐ろしいのは下痢が治まった後、数週間後に手足の麻痺や呼吸困難を引き起こす自己免疫疾患「ギラン・バレー症候群」を発症するリスクがある点です。
なお、牛だけでなく豚レバー生食の危険性も極めて高く、2015年に法規制されています。豚の生レバーにはE型肝炎ウイルスや寄生虫が潜んでおり、感染すると劇症肝炎を引き起こす恐れがあります。