野原ひろし声優・藤原啓治の死と絆、受け継がれる「理想の父親像」
ひろしというあまりにも巨大なアイコンを引き継ぐこと。それは声優業界の誰にとっても、計り知れない重圧を伴う試練だった。その過酷なバトンを受け取ったのが、長年同年代の戦友として切磋琢磨してきた森川智之さんだ。
2016年の代役抜擢から正式な後継へ。森川さんは単に藤原さんの声真似をするのではなく、藤原さんが築き上げた「ひろしの魂」を徹底的にリスペクトしながら演じる道を選んだ。二人は若手時代からの旧知の仲であり、互いの芝居の癖や人柄を知り尽くしていた間柄だ。森川さんは引き受けるにあたり、「啓治の留守を守る」という強い覚悟を抱いていたという。親友が作り上げたひろし像を壊さず、同時に自身の血を通わせる作業は、まさに魂の対話だった。今では森川版ひろしもすっかりお茶の間に定着し、新しい世代の家族像を力強く牽引している。