ダイナ・フリッツの正体とカルラ捕食の真相|王家の血筋が紡いだ悲劇

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ダイナ・フリッツという人物の数奇な生涯を紐解くうえで外せないのが、彼女が背負っていた余人には計り知れない血統の重圧です。100年以上前、145代カール・フリッツが壁内へ逃亡した際、大陸側に留まった正統な王家の生き残りこそがダイナでした。彼女はエルディア復権派の象徴として担ぎ上げられ、若き日のグリシャ・イェーガーと出会います。

エルディア復権派の生き残りたちにとって、ダイナの存在は唯一無二の希望でした。彼女がもたらした巨人の歴史や軍事情報は、地下組織に過ぎなかった復権派を大きく活気づけました。やがてグリシャとダイナの関係は思想的な同志から夫婦へと進展し、二人の間に生まれた男子こそが、後に「獣の巨人」の継承者となるジーク・イェーガーです。

しかし、この血統こそが家庭崩壊の引き金となりました。グリシャとダイナは、まだ幼少だったジークにエルディア復権の思想を過剰に刷り込み、マーレの戦士候補生として潜入させようと画策します。親からの無条件の愛情を受けられず、道具として扱われる苦痛に耐えかねたジークは、祖父母(グリシャの両親)を守るために実の両親をマーレ政府へ密告。こうしてダイナたちの野望は無残に潰え、パラディ島の境界線へと連行されることになりました。

処刑台となった境界線の上で、巨人に変えられる注射を打たれる直前、ダイナはグリシャに向かって「どんな姿になってもあなたを探し出す」と言い遺します。この愛憎入り混じる一言が、後のパラディ島に降りかかる悪夢の前兆となったのです。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。