ファビョンと日本人の真相|ネットスラングの誤解と医学的実態
インターネット空間における「ファビョン」という言葉は、2000年代初頭の匿名掲示板文化を通じて急速に普及しました。相手が議論で不利になった際にヒステリックに怒り出す様子や、常軌を逸した剣幕で反論してくる状態を「ファビョる」「ファビョった」と動詞化して揶揄する用法が定着しています。
しかし、本来の朝鮮医学・精神医学における「火病(鬱火病:うっかびょう、英: Hwabyeong)」の定義は、ネット上の使われ方とは性質が大きく異なります。火病とは、理不尽な境遇や人間関係において「怒り」や「悔しさ」、あるいは「恨(ハン)」といった強い負の情動を長期間にわたり外へ出せず、心の中に抑圧し続けた結果として発症する心身の不調を指します。
つまり、ネットスラングが「外へ向けて爆発する突発的な怒り」を指しているのに対し、実際の医学概念としての火病は「内側にため込み続けた怒りによる慢性的な心身の荒廃」です。ネット上で記号化される過程で、本来の病態とは正反対のイメージが一人歩きしてしまった典型例といえます。