ツキノワグマが人を食べる真相に迫る!遭遇時の生存率を高める術

ツキノワグマが人を食べる真相に迫る!遭遇時の生存率を高める術の要点を詳しく解説してご紹介します。

かつて野生動物学の常識では、ツキノワグマはヒグマに比べて温厚で、主食の9割近くをブナやミズナラの実、草芽などの植物質が占めると説明されてきた。人間を攻撃するのは「鉢合わせした驚きによる自衛行動」であり、人間を食べ目的で襲うことは極めて稀だと考えられていたのだ。

しかし、その前提を根底から破砕したのが、2016年に秋田県鹿角市で発生した「十和利山熊襲撃事件」である。タケノコ採りに入山した複数の男女が相次いで犠牲となり、射殺された体長約1.3メートルのメスのツキノワグマの胃内容物からは、人肉や人体組織が検出された。この事件の分析を進めてきたNPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏は、クマが一度人間を捕食対象として学習すると、自衛ではなく「狩り」として人間を狙い始める危険性を強く指摘している。

近年の研究データによると、森林の荒廃やドングリの深刻な不作だけでなく、山林におけるシカやイノシシの減容・放置された有害鳥獣の解体痕(残滓)を食した経験が、クマの肉食傾向を加速させているという。肉の味に慣れた個体が山中で無防備な人間に遭遇した際、本来持っていた人間への恐怖心が払拭され、捕食行動へと直結してしまうのが衝撃のカラクリだ。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。