大阪・ディープゾーンの異端「新世界国際劇場」が放つ抗えない磁力——2026年、昭和の名画座が問いかける都市の記憶
薄暗いロビーに足を踏み入れると、チケット売り場のガラス越しに年配の受付係と目が合う。券売機ではなく、昔ながらの対面で手渡される紙の入場券。プラスチックの丸椅子や、少し煤けたポスターのフレームが、重ねてきた年月を無言で物語っている。
「最初はSNSで見かけたレトロな外観の写真がきっかけでした」。そう語るのは、都内から訪れていた20代の映画ファンだ。かつては近寄り難い「大人の怪しい場所」と目されていた空間が、若者の目には消費し尽くされた都市のテーマパークにはない「圧倒的なリアル」として映っている。過剰に整えられた現代の施設に対するアンチテーゼが、ここには確かに存在する。