80年代を彩ったハウスマヌカンとは?語源とブームの真実

80年代を彩ったハウスマヌカンとは?語源とブームの真実とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

「ハウスマヌカン」という言葉は、英語の「ハウス(house=メゾン、服飾メーカー、ブランド企業)」と、フランス語の「マヌカン(mannequin=モデル、マネキン人形)」を組み合わせた和製洋語です。1970年代後半から1980年代にかけてアパレル業界を中心に定着し、「自社ブランドの服を身にまとい、自ら広告塔(生きたマネキン)となって商品をアピール・販売する女性店員」を意味していました。

当時のアパレル業界において、彼女たちの役割は従来の「百貨店の丁寧なお手伝い店員」とは完全に一線を画していました。服のサイズや在庫を案内する事務的な接客ではなく、ブランドのデザイナーが構築した前衛的な世界観を頭から爪先まで体現し、来店客に「そのブランドを着るライフスタイルと特権意識」を提示するプロフェッショナルだったのです。

1980年代初頭、日本の服飾市場では個性的で高価格帯なデザイナーズブランドおよびキャラクターズブランドが爆発的な人気を博しました。この「DCブランドブーム」の最前線で、ブランドの思想を具現化する「動くカタログ」として機能した存在こそがハウスマヌカンでした。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。