『ショーン・オブ・ザ・デッド』が今なお愛される理由と驚異の伏線回収
映画通を唸らせる膨大なオマージュも本作の大きな魅力です。タイトル自体がジョージ・A・ロメロ監督の歴史的傑作『ドーン・オブ・ザ・デッド(邦題:ゾンビ)』への明確なオマージュであることは広く知られていますが、細部にはさらにディープな小ネタが仕込まれています。
例えば、ショーンが働く電器店の同僚「アッシュ」はサム・ライミ監督の『死霊のはらわた』の主人公アッシュ・ウィリアムズから名付けられています。また、ショーンが母バーバラに電話で伝える「We're coming to get you, Barbara!(迎えに行くよ、バーバラ)」というセリフは、1968年の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でジョニーが妹バーバラをからかう伝説的な名セリフの完全な再現です。
一方、長年ネット上で囁かれ続けてきた「続編制作の噂」について、ファンの間では『From Dusk Till Shaun(フロム・ダスク・ティル・ショーン)』という仮題が話題に上ることがありました。これはロバート・ロドリゲス監督の『フロム・ダスク・ティル・ドーン』をもじったタイトルですが、サイモン・ペッグ本人が海外メディアの取材に対して「あれはエドガーと交わした単なるパブでの冗談に過ぎない」と明言しています。
制作陣は「ショーンの物語はあのラストシーンで完璧に完成している」という見解で一致しており、商業的な安易な続編を作らない姿勢を貫いています。この潔さこそが、作品の神格化を支える大きな要因となっています。