なぜJalの鶴丸は一度消えて復活したのか?歴代ロゴの変遷と真実
JALの象徴である「鶴丸」が正式に採用されたのは1959年(昭和34年)8月のことでした。翌1960年に導入された初のジェット旅客機「DC-8(愛称:FUJI号)」の就航に合わせてお披露目されたこのマークは、日本が国際航空社会へ本格的に躍進する幕開けを告げるシンボルでした。
鶴のモチーフが選ばれた最大の理由は、古来日本において鶴(丹頂鶴)が「長寿」「気品」「生涯添い遂げる夫婦鶴(忠誠)」の象徴とされ、極めて縁起の良い瑞鳥であった点にあります。さらに、鶴は高高度を力強く飛翔する渡り鳥であり、航空会社の安全運航と世界への飛翔を重ね合わせる意図が込められました。
驚くべきことに、この日本的な美意識の極致とも言える社章デザインを手がけたのは、米国の広告代理店「ボッツフォード・コンスタンティン&ガードナー」に所属していたアートディレクター、ジェリー・ハフ(Jerry Huff)氏でした。ハフ氏は日本の家紋(特に「鶴の丸」紋)や伝統文化を徹底的に研究し、日の丸を思わせる真っ赤な円の中に、白抜きの優美な鶴が両翼を広げて包み込む構図を考案しました。翼の中央に配置された「JAL」のシャープな黒文字が全体を引き締め、日本の伝統美と近代的な航空輸送のスピード感を見事に融合させたのです。