映画『水のないプール』狂気の真相とモデル事件!結末とキャスト徹底考察

映画『水のないプール』狂気の真相とモデル事件!結末とキャスト徹底考察の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

本作の根底にあるのは、1970年代末から1980年代初頭にかけて世間を騒然とさせた「クロロホルムを用いた連続女性暴行事件」です。当時、鉄道職員の男が薬品を悪用し、独身女性の自宅へ不法侵入して犯行を繰り返したという生々しいニュースは、都市部に暮らす人々に強烈な恐怖を植え付けました。

内田裕也はこの事件の一報に強い衝撃を受け、自ら映画化を熱望。脚本家の荒井晴彦らとともに構想を練り上げました。映画における主人公・水島もまた、昼間は無口で実直に働く地下鉄の駅員でありながら、夜になると薬品を手に入れて獲物を物色する二面性を持っています。

若松孝二監督の持ち味であるドキュメンタリータッチの演出が、実際の事件が持っていた冷え冷えとした空気感を克明に再現。単なる猟奇事件のエンタメ化ではなく、高度経済成長期の陰で肥大化した都市の孤独と、誰の心にも潜む狂気の引き金を容赦なく突きつける内容となっています。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。