過剰サービスの罠?「お客様ファースト」が起こすCx革命の真実
人が直接関わるホスピタリティ産業でも、地殻変動が起きている。星野リゾートを率いる星野佳路は、現場のマルチタスク化とフラットな組織構造を導入し、硬直化した従来の「過剰なおもてなし」を打ち破った。現場のスタッフが自由に発想し、目の前の顧客に合わせた最適な提案をその場で行うスタイルは、現代の旅行者が求める自然体の体験と見事に合致している。
一方で、高級ホテルの象徴であるザ・リッツ・カールトンも、クレド(信条)をベースに従業員へ広大な現場裁量と予算を委ねていることで有名だ。両社に共通する経営戦略は「ルールで縛るのではなく、現場の主体性を全面的に信頼する」こと。機械的なマニュアル接客を捨て、人間味あふれる柔軟な対応を実現した企業だけが、熱狂的なファンを獲得している。