「朝はパン」誕生秘話と歴代女優の軌跡!名フレーズの正体に迫る
フジパンが「本仕込」を世に送り出したのは1993年5月のことでした。当時の日本の食パン市場は、欧米風のふんわりとした軽い食感が主流であり、各社がソフトさを競い合っていました。そうした状況下で、フジパンの開発陣が目指したのは「日本人の主食である炊きたてのご飯のように、噛むほどに甘みと旨みが広がるもっちりとした食パン」という全く新しい価値基準でした。
小麦粉の一部を熱湯でこねてデンプンをα化させる「湯種(ゆだね)製法」に着想を得た独自の炊飯的アプローチにより、しっとり・もっちりとした独自の食感を実現。しかし、革新的な商品であっても、消費者に手に取ってもらえなければ市場は動きません。そこで立案されたのが、「朝の食卓における決定権を持つ生活者に、最短距離で響くメッセージを届ける」という大胆なマーケティング戦略でした。
当時の広告関係者の証言によると、「朝ご飯は何にしようか」と迷う生活者の無意識に対し、論理的な説明ではなく、明るく小気味よい音のリズムで「朝=パン」という直感を植え付けることが狙いだったとされています。単なる商品名の連呼ではなく、生活行動そのものを肯定する「朝はパン」という断定に、リズミカルな手拍子を思わせる「パンパパン」を重ねることで、忙しい朝の気分を前向きに切り替えるマジックフレーズが完成したのです。