伊藤潤二『うずまき』狂気の結末と考察!アニメ海外評価まで徹底解剖

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物語の舞台は、日本海側に位置する霧深い地方都市「黒渦町(くろうずちょう)」。女子高生である主人公・五島桐絵(ごしま きりえ)と、その恋人である斎藤秀一(さいとう しゅういち)の平穏な日常が、不可解な「うずまき」の怪異によって徐々に狂わされていく様子から幕を開けます。

異変は極めて些細な日常の断片から始まります。秀一の父親が壁に張り付くカタツムリの殻や、味噌汁の中に立ち上る湯気の渦巻きを病的に凝視し始め、やがて自らの肉体を木桶の中に渦巻き状に折り畳んで変死。続いて秀一の母親は、渦巻きへの恐怖から自らの指紋や舌の渦を削り落とし、耳の奥にある三半規管(蝸牛)をハサミで突き刺して命を絶ちます。

家族の変死を皮切りに、怪奇現象は町全体へとパンデミックのように拡大。髪の毛が巨大な渦を巻いて意志を持ち始める女子生徒、身体が粘液にまみれて「ヒトマイマイ(カタツムリ人間)」へと変態していく同級生、妊婦の胎児が吸血欲求を宿す産婦人科、そして人を焼き尽くす螺旋光線を放つ灯台――。日常のあらゆる記号が「うずまき」の幾何学パターンへと変換され、論理的な脱出を許さない閉塞空間が構築されていきます。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。