岡田茉莉子の現在と壮絶半生|夫・吉田喜重との愛と名作の軌跡
数ある映画代表作の中でも、岡田茉莉子のキャリアの頂点として燦然と輝くのが、1962年公開の『秋津温泉』(藤原審爾原作)です。本作は彼女の映画出演100本記念作品として、自ら企画・プロデュースを松竹に直談判して実現させた渾身の一作でした。
当時、助監督から監督へと昇進したばかりの気鋭・吉田喜重を自ら監督に抜擢。岡山県奥津温泉を舞台に、戦争の影を背負った男と一途に男を愛し続ける温泉宿の娘・新子の17年間にわたる情念と破滅を描き出しました。
この作品で彼女は毎日映画コンクール女優主演賞やキネマ旬報主演女優賞を総なめにし、名実ともに大女優の地位を不動のものとしました。情熱的な演技と日本の四季が織りなす映像美は、今なお日本映画史の屈指の金字塔として語り継がれています。