新宿地下の知の迷宮へ!膨大な専門書と限定フェアに迫る独自ルポ
この書店の骨格を語るうえで外せないのが、建物の特異な成り立ちだ。店舗が入居するモード学園コクーンタワーは、建築家・丹下憲孝氏が率いる丹下都市建築設計が手掛けた、新宿西口を象徴するランドマークである。未来へ羽ばたく若者を育む「繭(コクーン)」を模した曲面ガラスのタワーに対し、その地下に根を張る書店空間もまた、知性を育み包み込む揺籃のような役割を担う。
地下1階と地下2階を貫く動線設計は巧みだ。中央に据えられたエスカレーターを取り囲むように、放射状あるいは同心円状に棚がレイアウトされている。画一的なグリッド配置とは異なり、歩く角度によって視界に入る背表紙が次々と変化する仕掛けだ。角を曲がるたびに新しい主題が現れ、読者の視線を意図的に迷わせる。建築のダイナミズムがそのまま棚巡りの高揚感へと変換されているのだ。