言の葉の庭『Rain』なぜカバー?歌詞の意味とラスト結末の真相を追う

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新海誠監督の作品群を振り返ると、『秒速5センチメートル』における山崎まさよしの既存曲「One more time, One more chance」の起用など、監督自身の音楽的バックボーンが演出と密接に結びついているケースが見受けられます。しかし『言の葉の庭』における主題歌選定の経緯は、さらに踏み込んだ「監督の強い熱望」からスタートしていました。

もともと大江千里の熱烈なファンであった新海監督は、新宿御苑の東屋を舞台にしたプロットと絵コンテの初期段階から、1988年発表のアルバム『1234』に収録された「Rain」を仮BGMとしてリピート再生しながら作業を進めていたといいます。雨の新宿の空気感、降り注ぐ雨足の激しさと静寂、不器用な男女の距離感――そのすべてが、大江千里が紡いだメロディと歌詞の世界観に驚くほど合致していたのです。

当初は「現代のアニメ映画の主題歌として、新曲の書き下ろしにするべきではないか」という議論も制作陣の中で交わされました。しかし、新海監督の中にあった「この物語の幕切れには『Rain』以外あり得ない」という確信は揺らぎませんでした。そこで白羽の矢が立ったのが、唯一無二のハスキーで包容力のある歌声を持つ秦基博でした。皆川真人によるドラマティックなアコースティック&ストリングスアレンジと、秦基博の情感あふれるボーカルが見事に融合し、四半世紀前の名曲が現代のマスターピースとして鮮烈に生まれ変わったのです。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

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