神経を抜いた歯の寿命は?数年で抜歯になる人と20年保つ人の差

神経を抜いた歯の寿命は?数年で抜歯になる人と20年保つ人の差とはどのようなものなのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

臨床統計において、神経を抜いた歯の平均寿命は概ね10年から15年程度と算出されています。健康な歯が生涯を通じて機能し続ける可能性を持つのに対し、神経を抜いた失活歯は、抜歯に至るリスクが約7倍に跳ね上がるという追跡調査も報告されています。さらに深刻なのは、治療後わずか3〜5年足らずで根が折れたり膿がたまったりして抜歯を余儀なくされる患者が一定数存在する事実です。

なぜ、これほど極端な差が生じるのか。その第1の分岐点は、「痛みを感じない代償」としての病変放置にあります。神経を失った歯は、内部で虫歯菌が再繁殖しても激痛を訴えません。クラウン(被せ物)の中で静かに腐食が進み、歯冠部が崩壊するか、歯根の先端に大きな病巣(根尖性歯周炎)を抱えて顎の骨が溶け出して初めて異変に気づくのです。

第2の分岐点は、歯根内部を徹底的に無菌化できたかどうかという初期治療の質です。根管内は極めて複雑怪奇な形態をしており、肉眼に頼る治療では細菌の取り残しが日常的に生じます。この目に見えないわずかな菌の残存が、数年後に時限爆弾のように爆発するか、あるいは20年以上にわたり沈黙を保ち続けるかを決定づけています。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。