ミスド汁そばはなぜ愛され続けるのか?名作の裏側と再現レシピ

ミスド汁そばはなぜ愛され続けるのか?名作の裏側と再現レシピの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

時計の針を1990年代初頭に戻そう。当時のミスタードーナツは、カフェタイム以外のランチ需要や夕食需要の取り込みという大きな壁に直面していた。そこで運営母体である株式会社ダスキンが打ち出した起死回生の一手が、1993年にスタートした「ミスド飲茶」事業である。ドーナツの本場アメリカからブランドを持ち込んだ創業者ハリー・ウィノカーの「地域に根ざし、人々に寄り添う温かい食事空間を作る」という理念は、日本市場において「本格的な中華料理を気軽に楽しめる飲茶スタイル」へと独自進化を遂げた。

本場の点心師を招聘して開発されたメニュー群の中で、主役の点心を差し置いて圧倒的な支持を集めたのが「汁そば」だった。ドーナツとの食べ合わせを徹底的に研究し、重すぎず、かといって物足りなさを感じさせない軽やかな塩味スープを開発。この戦略が見事に当たり、ブランドの客層をファミリーやシニア層へと一気に拡大させる原動力となった。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。