『鬼滅の刃』猗窩座の悲しき過去と人間時代の真実|恋雪との約束
猗窩座の攻撃技や身体に刻まれた意匠には、人間時代の恋雪との思い出が色濃く影を落としている。彼が展開する「術式展開 破壊殺・羅針」の陣は、恋雪が髪に挿していた雪の結晶の簪(かんざし)そのものの形状だ。さらに、彼の技名に使われている「乱式」「空式」「輪式」などの名称は、生前に恋雪と一緒に見上げた大輪の花火に由来している。
「来年も再来年も、何百年でも一緒に花火を見よう」。そう誓った恋雪との約束を守れなかった悔恨が、鬼となって記憶を失ってなお、彼の肉体と武術に刻まれ続けていた。弱者を嫌悪し強者を求め続けた屈折した思想も、本質は「病弱だった恋雪を守れなかった己の弱さ」に対する激しい自己嫌悪の裏返しであった。