藤岡弘、と仮面ライダーの伝説!生死の事故から息子への魂の継承まで
番組が軌道に乗り始めた矢先、制作現場を揺るがす最大の悲劇が発生します。第9話・第10話の撮影中、バイクでのジャンプシーンにおいて藤岡弘、が操縦を誤り、電柱付近に激突する大事故に見舞われたのです。診断結果は左大腿骨の複雑骨折。医師からは「最悪の場合は左足切断、命が助かっても二度と歩くことはできない」と宣告されるほどの致命的な重傷でした。
主演俳優の突然の離脱という絶体絶命の危機に直面した東映スタッフは、番組の打ち切りも覚悟しました。しかし、制作陣は本郷猛を劇中で「ショッカーの海外基地阻止のため日本を離れた」という設定にし、急遽新たな主人公・一文字隼人を擁立する決断を下します。こうして急造の形で生まれたのが仮面ライダー2号でした。
この危機対応から、特撮史を塗り替える革命が生まれました。新規にキャストされた佐々木剛氏は当時中型二輪免許を持っていなかったため、バイクに乗らずにその場で構えを取るアクションが考案されます。これこそが、社会現象にまで拡大した変身ポーズ誕生の決定的な理由でした。本郷猛のバイク走行による自動変身から、子どもたちが真似できるポーズアクションへの転換は、仮面ライダーの人気を空前絶後の高みへと押し上げる最高の瓢箪から駒となったのです。