銀座「泰明庵」が愛される理由とは?名物せりそばと昼飲みの極意
泰明庵の名を全国に知らしめた金字塔といえば、丼を覆い尽くすほどの緑が鮮烈な「せりそば」です。秋から春先にかけて提供される季節限定メニューで、毎年この一杯を心待ちにしているファンが後を絶ちません。
せりそばを語る上で欠かせないのが、「葉せり」と「根せり」の違いです。
秋口の出始めから春先まで長く提供される「葉せり」は、爽やかな若草の香りと柔らかな食感が持ち味で、熱々のつゆに浸すことで甘みが引き立ちます。一方、冬が深まる12月頃から2月頃にかけて登場する「根せり」は、太く白く伸びた根ごと調理される逸品です。大地の力強さを感じる野趣あふれる香りと、シャキシャキとした小気味よい歯応えは一度食べると忘れられないインパクトを残します。
熱い出汁を吸ったせりの苦味と、蕎麦の喉越しが織りなすハーモニーは、まさに冬の東京を代表する味覚体験です。