すたみな太郎鳥取店の現在と閉店理由|跡地や復活の真相を追う
鳥取店が閉店に至った決定的な要因は、単なる一地方店舗の客数減少にとどまりません。運営母体である株式会社江戸一が推進する全国規模の不採算店舗整理と業態再構築が根本にあります。すたみな太郎は近年、全国的な「閉店ラッシュ」が続いており、ピーク時に全国150店舗以上を誇ったネットワークは大きく縮小しています。
その背景には、外食産業を取り巻く3つの構造的逆風が存在します。
第1に、輸入食肉価格(ミートショック)や乳製品・小麦などの原材料費、光熱費・物流費の記録的高騰です。低価格で多品目を提供するセルフバイキング業態は原価率のコントロールが極めて難しく、バイキング台に常時大量の料理を並べ続けるビジネスモデル自体が大きなコスト負担となっていました。
第2に、オーダーバイキング型競合チェーンの急激なシェア拡大です。『焼肉きんぐ』をはじめとするタッチパネル注文型のテーブルオーダーバイキングは、「席を立たずに出来立てが届く利便性」と「肉質のクオリティ」を両立させ、ファミリー層や若年層の支持を一気に奪いました。「自分で料理を取りに行くレジャー性」を売りにしてきた従来型バイキングが、タイパ(タイムパフォーマンス)と品質を重視する消費動向の変化に対応しきれなくなった側面は否定できません。
第3に、鳥取店特有の事情としてPREMIUM BUFFET化に伴う客単価上昇と顧客心理のギャップが挙げられます。品質向上を狙ってプレミアム業態へシフトしたものの、客単価の上昇に対して消費者が求めるクオリティのハードルが上がり、旧来の「安価でお腹いっぱい食べられる大衆食堂」という認知との間でブランド体験のミスマッチが発生したと分析されます。