ブレジネフのキスはなぜ男同士?ベルリンの壁に刻まれた歴史の真相
歴代のソ連首脳のなかでも、レオニード・ブレジネフはとりわけ激しい「キス魔」として外交界で恐れられていました。彼の情熱的すぎるキスの犠牲(?)になった首脳たちのエピソードは数多く残されています。
有名な逸話の一つが、旧ユーゴスラビアのヨシップ・ブロズ・チトー大統領との会談です。ブレジネフがあまりに力強く唇へキスをしたため、チトーの唇が切れて出血してしまったという驚きの記録が残っています。また、チェコスロバキアのルドヴィーク・スヴォボダ大統領やパレスチナ解放機構(PLO)のヤセル・アラファト議長とも同様に熱烈なキスを交わしました。
この強烈な儀礼は西側陣営の首脳にも向けられそうになりました。1979年に米国のジミー・カーター大統領と戦略兵器制限交渉(SALT II)で対面した際、ブレジネフのキス攻勢を警戒した米側スタッフが事前に接触方法を調整し、なんとか頬へのキスにとどめさせたという裏話もあります。ブレジネフにとってキスは、相手を自らの懐に力づくで引き込むための外交カードでもありました。