『崖の上のポニョ』その後の真相|宗介との未来と死後世界説を追う
ポニョには、人間界で宗介に名付けられる前の本名が存在します。それが「ブリュンヒルデ」です。この名は、リヒャルト・ワーグナーの有名な楽劇『ニーベルングの指環』に登場するワルキューレ(戦乙女)の長女に由来しています。
北欧神話のブリュンヒルデは、最高神ヴォータンの怒りに触れて神の資格を奪われ、炎に囲まれた岩山で眠らされますが、英雄ジークフリートの口づけによって目覚め、人間としての愛に生きる運命を辿ります。この神話構造は、『崖の上のポニョ』の物語の骨格と見事に一致しています。
ポニョが父の蓄えた生命の水を暴発させたことで、月が地球に接近し、人工衛星が落下するなど、地球の重力バランスは一時的に崩壊の危機に瀕しました。しかし、神話の悲劇とは異なり、本作では幼い宗介の純粋な愛の受容によって世界の破滅が回避されました。人間と太古の自然が再び和解した世界で、ポニョと宗介は新たな時代の架け橋として生き続けることになったのです。