ちょんの間の正体とは?昭和裏風俗の仕組みと消滅した街の真実

ちょんの間の正体とは?昭和裏風俗の仕組みと消滅した街の真実について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

日本国内で最も有名なちょんの間密集地帯として知られたのが、神奈川県横浜市中区の「黄金町(こがねちょう)」でした。京浜急行線の高架下から大岡川沿いに広がる約数百メートルの区画に、最盛期の平成初期には250軒以上もの違法店舗がひしめき合っていました。

当初は国内出身の女性が中心でしたが、1990年代以降はタイ、台湾、コロンビアなどから不法入国・超過滞在した外国人女性が急増。パスポートを取り上げられた女性たちが低賃金で拘束される人身売買の温床となり、麻薬売買やマフィアの抗争が頻発するなど、治安の悪化は限界に達していました。

転機となったのは2005年(平成17年)1月、神奈川県警が発動した「バイバイ作戦」です。警察官の24時間定点配置、徹底した家宅捜索、家主に対する賃貸借契約解除の指導などを連続的に実施。さらに地元住民による「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」が結成され、官民一体となった徹底的な包囲網により、わずか数年で街から違法店舗は完全に一掃されました。現在、かつての店舗跡は若手アーティストの工房やカフェ、ギャラリーへと再生され、毎年アートフェスティバルが開催される文化発信拠点へと変貌を遂げています。

一方、関西エリアにおいては、大阪市の今里新地周辺の路地裏や、新世界、旧釜ヶ崎(あいりん地区)周辺のガード下などに小規模なちょんの間が存在していましたが、こちらも2010年代以降の警察の摘発強化や大阪府暴力団排除条例の厳格適用によって急速に姿を消しました。2026年現在、大阪市内を歩いても、かつての間口が極端に狭い木造建築の長屋や、不自然に小分けされた換気扇のダクトに当時の「名残」が見て取れる程度であり、往時のような公然たる営業実態は完全に消滅しています。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。