一休さんは実在したのか?愛されたとんち小僧が隠した狂気の素顔
成長した一休宗純の奇行は、当時の京の都で際立っていた。豪華な鞘に収めた見事な大刀を腰に差して街を歩き、人々が驚いて中身を改めると、それは鞘に入っただけの「朱塗りの木刀」だったという逸話がある。「今の世の僧侶など、これと同じだ。立派な袈裟をまとっていても、中身を抜けば人を切ることも救うこともできぬ木刀にすぎない」という強烈な社会風刺である。
正月のめでたい街頭を、竹竿の先に本物の人間の頭蓋骨を括り付けて「ご用心、ご用心」と叫びながら練り歩く。生と死の境界を揺さぶり、現世の繁栄に浮かれる権貴たちを冷笑する。彼は自らを「狂雲子」と呼び、世間が崇める高尚な価値観を片っ端から踏み躙っていった。