親と縁を切りたい人が知るべき法的現実と平穏を取り戻す具体策

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物理的な連絡を断ち切ったとしても、時間が経過した後に突きつけられるのが「介護」と「遺産相続」という現実だ。民法(親族法・相続法)の規定により、親が要介護状態になった際、自治体や福祉施設から子へ連絡が入る事例は後を絶たない。法的な扶養義務は「自分の生活を犠牲にしてまで看病する義務(引取義務)」までは課していないが、行政からの道義的な要請にどう対応するか、あらかじめ明確な方針を持っておく必要がある。

さらに深刻なのが死亡時の対応だ。親が多額の借金を残して死亡した場合、絶縁していたとしても自動的に法定相続人となってしまう。借金の相続を回避するためには、親の死亡を知った時から原則3か月以内に、家庭裁判所へ「相続放棄」の申述を行わなければならない。この手続きを怠ると、予期せぬ負債を背負わされるリスクがある。

一方で、親が財産を残して死亡した場合でも、遺言書で「絶縁した子には一切遺産を渡さない」と指定されていれば遺産は入らない。ただし、民法上は最低限の取り分である「遺留分」を請求する権利(遺留分侵害額請求権)が子に認められている。法務省の管轄する司法手続きを通じてこれを行使するか、あるいは一切の関わりを拒絶して放棄するか。絶縁を貫くためには、死後処理に関する法的なルールを熟知しておくことが身を守る盾となる。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。