台湾の不毛な大地を救った男・八田与一の真実と知られざる秘話
土木技術者の孤高の戦いと現地の人々との交流は、映像文化の世界でも鮮烈な足跡を残している。その代表格が、老舗アニメスタジオの虫プロダクションが手掛けた2008年の長編劇場用映画『パッテンライ!! 〜南の島の水ものがたり〜』だ。
本作のメガホンをとったのは、『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河英雄伝説』など数々の名作を世に送り出したアニメーション界の名匠・石黒昇監督である。石黒監督は単なる偉人伝に終始することなく、八田と出会った台湾人少年と日本人少年の友情と成長を軸に据え、異文化が融和していくプロセスを瑞々しく描き出した。
緻密な時代考証と手描きアニメーションならではの温かみで描かれた本作は、優れた伝記アニメーションとして教育現場や文化交流の場で繰り返し上映されてきた。国境を越えて力を合わせる人間の尊さを描いたその普遍的なメッセージは、世代を超えて新たな感動を呼び起こし続けている。