三途の川とは?渡るとどうなるのか|3つの渡り方と六文銭の真相を徹底解説
「三途の川」の「三途(さんず)」という言葉は、仏教の経典に登場する「三悪道(さんあくどう)」、すなわち地獄道・餓鬼道・畜生道の3つの苦難に満ちた世界を指す言葉に由来します。仏教の死生観において、人間が命を落とすと霊魂は中陰(ちゅういん・四十九日の間)と呼ばれる中有の期間に入り、あの世への旅路を歩み始めます。
その旅路の最初の大関門として立ちはだかるのが三途の川です。民間信仰や『十王経(じゅうおうきょう)』の記述によると、故人は死後7日目(初七日)にこの川のほとりへ到達するとされています。日本において初七日の法要を手厚く営むのは、故人が無事にこの険しい川を渡り切れるよう、現世から追善供養の祈りを届けるためです。
三途の川には地域や時代によって別名が存在し、川の流れが3つに分かれていることから「三瀬川(みつせがわ)」、川岸の番人にちなんで「葬頭河(そうずか)」、あるいはシンプルに「渡り川」とも呼ばれてきました。此岸(しがん・私たちが生きる迷いの現世)から、彼岸(ひがん・悟りと救済の彼方、あるいは冥土)へと渡る不可逆の境界線として、平安時代末期の浄土信仰の広まりとともに日本人の心へ定着しました。