ハンターハンター歴代主題歌の真相|旧新アニメの神曲と起用理由の裏側
アニメ『HUNTER×HUNTER』における楽曲選定は、1999年版(古橋一浩監督らを中心とした制作陣)と2011年版(マッドハウス制作)でアプローチが大きく異なります。その背景には、作品のダークファンタジーとしての本質と、当時の音楽シーンおよび放送フォーマットの緻密な計算が存在していました。
1999年の旧アニメ版において、初代ハンターハンター OP曲に抜擢されたのがKenoの「おはよう。」でした。当時、新人バンドであったKenoの軽快でどこか哀愁を帯びたメロディは、クジラ島を旅立つ少年の無垢な好奇心を見事に描き出しました。一方で、物語が暗黒街ヨークシンシティへと移ると、ED曲にはブリットポップの先鋭として知られたWinoの「太陽は夜も輝く」が起用されます。当時のアニメプロデューサーや音響監督が求めたのは、単なる王道アニソンではなく、「若者の孤独と乾き」を表現できるリアルなロックサウンドでした。クラピカが背負う凄惨な復讐劇と、Winoの退廃的で重厚なギターリフが見事に一致した瞬間であり、現在もファンの間で伝説の采配として語り継がれています。
対照的に、2011年の新アニメ版で業界を驚かせたのが、小野正利の「departure!」をハンターハンター 新アニメ 歌の象徴として、全148話を通してオープニング曲として固定し続けた点です。深夜枠への移動や、凄惨を極めた「キメラアント編」であってもオープニングだけは一切変更されませんでした。アニメ制作関係者の証言によると、これには「どれほど物語が絶望と暴力に覆われようとも、ゴンの原点である『父親に会いたいという純粋な冒険の旅』という軸だけは揺らがせない」という明確な演出意図が込められていたといいます。4オクターブを超える小野正利の圧倒的なハイトーンボイスは、全編を通じて作品の不動の背骨となったのです。
さらにキメラアント編の終盤、人類と異形種との生存競争、そして王・メルエムとコムギの絆を締めくくったのが、音楽デュオ・ゆずとヒャダイン(前山田健一)の共作による「表裏一体」でした。光と影、善と悪、人間性と怪物性という本作の根源的テーマを音楽的に昇華させたこの楽曲は、物語のラストシーンと寸分の狂いもなく交差するように書き下ろされたものであり、商業タイアップを超えた芸術的な結実となりました。