はるな愛の性転換と戸籍の真相|タイ手術の壮絶な葛藤と現在の姿
彼女のトランスジェンダーとしての歩みを語る上で、家族、とりわけ厳格だった実父とのドラマは避けて通れません。昭和気質の職人気質だった父親は、長男である「賢示」に大きな期待を寄せていました。そのため、女性の服を着て歌い踊る我が子を受け入れることができず、激しい叱責や衝突が繰り返されました。
家を飛び出し、夜の街で必死に生き抜く彼女に対し、母親は陰ながら理解を示していましたが、父との溝は長年埋まることがありませんでした。転機が訪れたのは2009年、タイのパタヤで開催された世界最大規模のトランスジェンダービューティーコンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン 2009」でした。
世界中から選び抜かれた美女たちが集う中、彼女は圧倒的なパフォーマンスと愛嬌、そして鍛え上げられた美貌で審査員を魅了し、日本人初となるグランプリに輝きました。世界一の栄冠を手にしたニュースは日本国内でも大々的に報じられ、テレビの生中継を通じて父へと伝えられました。
後日、特番のロケで実家を訪れた際、それまで頑なに娘を否定し続けていた父親が、「お前は日本の誇りや、よう頑張ったな」と涙を流して抱きしめた場面は、多くの視聴者の涙を誘いました。社会的な偏見だけでなく、最も愛されたかった肉親からの承認を実力で勝ち取った瞬間でした。