海軍料亭小松の歴史と全焼火災の真相|跡地の現在と伝説を徹底追跡

海軍料亭小松の歴史と全焼火災の真相|跡地の現在と伝説を徹底追跡の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

料亭小松を語る上で欠かせないのが、海軍士官たちから親しみを込めて呼ばれていた「パイン館(パインハウス)」という異名です。「小松」の「松」を英語のPine(パイン)に置き換えたこの愛称は、明治期から国際感覚に長けていた海軍将校ならではのハイカラな命名でした。

店と将官たちとの結びつきは極めて濃密でした。日露戦争で連合艦隊を率いた東郷平八郎元帥は、日本海海戦の前後に幾度となく小松を訪れ、床の間の掛け軸や揮毫(きごう)を数多く残しました。東郷は女将のハマを深く信頼し、家族ぐるみの付き合いを続けたと伝えられています。

さらに、太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官・山本五十六大将にとっても、小松は特別な場所でした。山本は少佐・中佐の若手将校時代から足繁く通い、連合艦隊旗艦「長門」や「大和」へ赴く直前にも小松の座敷で旧友と杯を交わしました。店内には山本の直筆による書や、彼が愛用した調度品が所狭しと飾られ、さながら「海軍私設博物館」の様相を呈していました。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。