神事から世界的アートへ変貌を遂げた折り紙の歴史と教科書外秘話
折り紙の根底にあるのは、紙そのものを神聖視する古代からの信仰心だ。特に室町時代に入ると、武家の礼法として「熨斗(のし)」や「三方」を包む儀礼的な折り方が確立された。当時は紙自体が極めて貴重な高級品であり、手漉きの和紙を折りたたむ行為そのものが、相手への敬意と祈りを表す儀式だったのである。
時が下り江戸時代を迎えると、紙の量産化に伴い折り紙は庶民の遊戯へと開放される。1797年に刊行された『秘伝千羽鶴折形』は、世界最古の遊戯折り紙本として知られ、複数羽の鶴が一枚の紙からつながって折られる高度な図案が幾つも掲載されていた。単なる手慰みを超えた造形美の追求は、この頃すでに始まっていたのだ。