『ちはやふる』花野菫の真の魅力とは?恋目当てから覚醒した成長劇
漫画家・末次由紀の卓越した人物描写力は、花野菫というキャラクターにおいて遺憾なく発揮されている。講談社「BE・LOVE」で連載された原作において、完璧な天才や聖人君子ではなく、ちょっとずる賢く、流行に敏感で、自尊心と嫉妬心に揺れる「ごく普通の女子高生」として彼女を描き切った。
だからこそ、彼女が挫折を味わい、自分のちっぽけさを認め、それでも前に進もうとする瞬間が読者の心に強烈に刺さる。誰しもが持っているダサさや弱さを隠さず、競技かるたを通じて精神的に大人になっていくプロセスは、青春漫画の真髄と言っても過言ではない。