ケバブとは何か?本場トルコと日本の違いから驚きの発祥秘話まで
今日、世界中で愛される「パンに肉と野菜を挟んで歩きながら食べるドネルケバブ」のスタイル。実はこれ、トルコの伝統そのままではなく、1970年代の西ベルリンで生まれたハイブリッドな発明だった。
立役者は、トルコからの移民労働者(ガストアルバイター)だったカディル・ヌルマン氏。1972年、ベルリン動物園駅の近くに小さなスタンドを開いた彼は、忙しなく行き交うドイツ人労働者たちの姿をじっと見つめていた。「皿に肉と米を盛って出しても、立ち止まる時間のない彼らは買ってくれない」。そこでヌルマン氏は、スライスしたドネルケバブを平焼きパンに挟み、片手で食べられるファストフードへと再構築した。
この閃きが爆発的なヒットを生む。瞬く間にドイツ全土を席巻し、やがて逆輸入のような形でヨーロッパ全土、そしてアジアへと広がっていった。故郷の味を異国の生活様式に適応させたヌルマン氏の柔軟な知恵こそが、ケバブをローカルな郷土料理から世界規模のメガトレンドへと押し上げた原点なのだ。