マイコプラズマ肺炎の治療薬が効かない?熱が下がらない耐性菌の真相
ネット検索やSNS上では、マイコプラズマ肺炎に関して医学的に重大な誤解が散見されます。特に多い3つの誤解を正しく検証します。
誤解1:薬局の市販薬でマイコプラズマを根本治療できるのか?
「病院が混んでいるからドラッグストアで市販薬を買って治したい」と考える方がいますが、マイコプラズマ肺炎市販薬の有無についての明確な結論は、「菌を殺す市販薬は日本国内に存在しない」ということです。市販の総合感冒薬や咳止めシロップは、熱を一時的に下げたり咳反射を抑えたりする対症療法の薬に過ぎず、マイコプラズマを体内から排除する抗菌薬は医師の処方箋が必須です。市販薬で症状をごまかしている間に病勢が進行し、重篤な呼吸不全や胸水貯留に至るリスクがあるため、自己判断での市販薬依存は極めて危険です。
誤解2:「元気そうに見えるから肺炎ではない」という油断
マイコプラズマ肺炎は、欧米で「Walking Pneumonia(歩く肺炎)」とも呼ばれます。一般的な細菌性肺炎と異なり、肺のレントゲン写真で広範な浸潤影(白い影)が出ているにもかかわらず、本人は比較的元気そうに会話ができたり、歩き回れたりすることが多いためです。この特徴が仇となり、受診が遅れて学校や職場で感染を広げてしまう大きな原因となっています。「咳が続いているが元気だから大丈夫」と過信してはなりません。
誤解3:「点滴を打ってもらったから早く治る」という信仰
クリニックで「点滴を打ってもらったのに全く熱が下がらない」という不満の声も聞かれます。しかし、一般的な外来点滴で用いられる抗生剤の多くはセフェム系などの細胞壁阻害薬であり、前述の通りマイコプラズマには最初から効きません。「点滴=特効薬」という思い込みを捨て、投与されている薬剤がマイコプラズマに有効な系統であるかを確認することが肝要です。