専業主婦願望の真実:20代30代の本音と理想の世帯年収ライン
詳細を見る
この現象に対して、社会学の知見はどのように分析しているのか。「パラサイト・シングル」や「婚活」という言葉の提唱者として知られる中央大学の山田昌弘教授は、現代の専業主婦指向を「リスク回避志向のあらわれ」と指摘する。雇用の流動化や低賃金化が進む中で、過酷な労働市場で疲弊するよりも、配偶者の収入に生活の基盤を置く方が生存戦略として合理的だと判断する女性が増えているという分析だ。
一方で、フェミニズム運動を牽引してきた東京大学名誉教授の上野千鶴子氏は、家事労働の無償性や経済的自立の重要性を長年説いてきた。経済的依存がもたらすリスクを警告する上野氏の視点と、生き残り策として専業主婦を望む若者の感覚。社会学における二大論者の議論は、自立の理想と現実的な生存コストとの間で揺れる現代女性の矛盾したポジションを如実に映し出している。