オードリーとメーテルを宿す気品、声優・池田昌子の知られざる軌跡
アニメーション史に燦然と輝く金字塔『銀河鉄道999』。原作者である松本零士が描いた神秘的なヒロイン・メーテルに魂を吹き込んだのも、また彼女であった。静寂の中に響く静かな情熱、星々を巡る旅の中で鉄郎を包み込む深い母性と儚さ。その独特の低音と間(ま)の取り方は、当時爆発的な流行を見せていたSFアニメの表現領域を大きく広げることとなった。
メーテルというキャラクターは、ただ美しいだけではない。哀しみと孤独を背負いながら銀河を旅する存在だ。松本零士の描く美しくも切ない世界観は、池田の気品ある声と静謐な演技が合わさることで、初めて完成を見たと言えるだろう。少年の成長を見守るその眼差し声は、当時の子どもたちだけでなく大人たちの心をも強く揺さぶった。