古文「もの申しさぶらはむ」の意味と品詞分解|敬意の方向を徹底解説

古文「もの申しさぶらはむ」の意味と品詞分解|敬意の方向を徹底解説の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

「もの申しさぶらはむ」というフレーズの根本にあるのは、相手に話しかける直前の「ワンクッションを置く気配り」です。教科書や辞書(三省堂『全訳読解古語辞典』など)では、文脈に応じて主に次の2通りの現代語訳が使い分けられます。

日常会話の感覚に置き換えると現代の「もしもし」「ちょっとよろしいでしょうか」に近いニュアンスですが、国語の記述試験で安易に「もしもし」とだけ書くと、敬語のニュアンスが抜け落ちて減点対象になるケースが目立ちます。中世の人間関係において、目上の人物や配慮すべき相手に唐突に用件を切り出すのは極めて無作法とされていました。だからこそ、「これからお話し申し上げます」という前置きを丁寧に伝える習慣が定着したのです。

特に高校の教科書で広く採用されている『宇治拾遺物語』の「児のそら寝」では、夜中にぼた餅を作っている僧が、寝たふりをしている幼い児を起こそうとする場面で登場します。僧が発する「もの申しさぶらはむ。驚かせたまへ。(もしもし、お目を覚ましなさいませ)」という呼びかけは、子ども扱いせず一人の人格として丁重に扱っている僧の心理が如実に現れた名場面です。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。