元琴欧洲・鳴戸親方の現在地!欧州初師匠の挑戦と育成革命の真実
鳴戸親方の現役時代を語る上で欠かせないのが、スピード出世と圧倒的な実績です。2002年11月場所に佐渡ヶ嶽部屋から初土俵を踏むと、驚異的なペースで番付を駆け上がり、初土俵からわずか19場所で大関昇進を果たしました。これは当時の外国出身力士として最速記録です。
2008年5月場所では、朝青龍や白鵬といった並み居る横綱を破り、欧州出身力士として史上初となる幕内最高優勝を達成。大関在位は歴代上位に位置する47場所、幕内通算537勝という輝かしい金字塔を打ち立てました。
しかし、長身力士の宿命ともいえる度重なる怪我がその選手生命を徐々に蝕んでいきます。特に生命線であった右膝の靭帯損傷や右足首の負傷、さらには首や肩の故障が重なり、本来のダイナミックな寄り身が影を潜めるようになりました。大関から陥落した直後の2014年春場所、気力と体力の限界を悟り、31歳で土俵に別れを告げました。「悔いはない。自分の力はすべて出し切った」という引退会見の言葉には、満身創痍で戦い抜いた男の誇りが滲み出ていました。